患者様の問題や課題について,まず「その問題や課題の成り立ちは何か」を知ることが大変重要です。これは「見立て」と呼ばれたり「アセスメント」と呼ばれるもので,カウンセリングを行う時,心理職は必ず十分な見立てを行います。そして,問題や課題の成り立ちが理解できると,次のステップとして具体的な介入を行うステップに入ります。もちろん全てのカウンセリングでこうしたプロセスを経る訳ではありませんが,問題や課題の解決を目指す時にこうしたプロセスは必要不可欠です。また,心理学的な見立てに加え,医学的な見立ても非常に重要です。心理学の世界から行う見立てと医学の世界から行う見立ては異なります。両方がしっかりと行われ,心理と医学とが十分に連携することでより良い治療効果が生まれます。
本院では心理職と医師とが十分連携し,それぞれの見立てを共有することも重視しております。しかしこれがまた難しい!というのも,見立てる対象は画一的ではなく,個別性をや多様性を有する患者様です。お一人お一人,毎日生活を送る中で,大きな問題や課題は変わらず持たれているとしても,さまざまな出来事に直面します。そして,その都度,「お悩み事」は変化します。日々のカウンセリングや診療で十分にお話しを聴き,その都度見立て,最適な支援や治療を受けることが大切です。